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史料にみる火縄銃 |
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(1)古文書にみる火縄銃 | ||||||||||||||||||||||
火縄銃が伝来してまもなく火縄銃をたくみに撃つ技術を身につけた者がうまれました。砲術家といいます。江戸時代を通じてその数は200家にもおよぶとされています。諸大名は鉄砲上手の者を高禄で召し抱え、家臣に学ばせました。砲術は武士のたしなみの一つとして学ばれるようになります。 砲術家は、しばしば大規模な実射訓練を催し、その存在をアピールしました。また、多くの秘伝書がのこされています。 |
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江戸時代の主な砲術流派 | ||||||||||||||||||||||
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@ 火器砲術絵巻 | ||
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棒火矢(ぼうびや)や地雷などさまざまな火器類の種類を記したもの。 | ||
A 荻野流大筒目録 | ||
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安政二年(1855)桜井貞三が杉浦鐵之助に与えた、大筒製作、打方等を記した目録。 |
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B 荻野流小筒目録 | ||
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安政二年(1855)桜井貞三が杉浦鐵之助に与えた、小筒の打方作法等を記した目録。 |
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C 荻野流鉄炮印可状【おぎのりゅうてっぽういんかじょう】 | ||
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安政六年(1859)荻野流砲術家 桜井貞三が杉浦鐵之助に与えた、小筒習得の印可状。 |
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D 鉄砲打方様集 | ||
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鉄砲の目当極意が記され、秘伝とされています。 |
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E 抱棒火矢討方諸業【かかえぼうびやうちかたしょぎょう】 | ||
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棒火矢とは木の棒に羽を付け、先端に火薬を巻き付けて火を吹きながら飛ばすもの。 本資料はこの棒火矢の打ち方を記したもの。 |
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(2) 鉄砲小道具 | ||||
火縄銃を発射するには様々な道具が必要です。これを鉄砲小道具といいます。それぞれが火縄銃と同じように工作の丁寧さや、日本的な美しさをもっています。ここでは、それらについて紹介します。 | ||||
@ 鉄砲掛け | ||||
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上総佐貫藩士が使用したもの。 |
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A 玉型 | ||||
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溶けた鉛をペンチのような玉型へ流し込んで円弾をつくります。 |
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B 鉛玉 | ||||
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玉の重さで一匁筒(口径8.7mm)より、一貫匁筒(口径87mm)までありました。 二匁から三匁位が一番多く使われました。 |
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C 火薬入れ | ||||
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日本は湿気が多いので火薬を保管したり運んだりするのに気をつかいました。 キャップ式のふたになっています。 |
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D 口薬入れ | ||||
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口薬は火皿の穴に盛り、引金を引くと着火するためのもので、着火をよくするため粉状になっていました。 | |||
E 玉入れ | ||||
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火薬は火薬入れ、玉は玉と別々に所持する際に使いました。玉の大きさで別々の玉入れを用いました。 | |||
F 胴乱【どうらん】 | ||||
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火薬、玉、口薬入れ、早合などを入れる小さなカバンで、腰に付けたり紐で肩から掛けたりしました。 | |||
G 早合【はやごう】 | ||||
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射撃の速度を上げるために、一本の筒に玉と火薬をセットしておくもののことを早合といいます。 | |||
H 弾箪笥【たまだんす】 | ||||
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引き出し式になっていて射撃に必要な様々な道具を入れます。 | |||